虫歯になりやすいのはどんな人?特徴と予防法

こんにちは。名古屋市北区大曽根にある医療法人晃生会 光輪歯科です。
虫歯は誰でもなる可能性がある身近な病気ですが、虫歯になりやすい人には共通する特徴があります。毎日歯を磨いているのに虫歯ができるとお悩みの方は、生活習慣や体質に原因があるかもしれません。
虫歯が進行すると大がかりな治療が必要になることもあるため、早めの対策が重要です。
この記事では、虫歯になりやすい人の特徴や生活上の注意点、予防法などを解説します。正しい知識を持つことで虫歯のリスクを減らせるので、虫歯にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
虫歯のメカニズム
虫歯は、歯の表面に残る食べカスやプラークのなかにいる細菌が、糖分を栄養源として酸を産生して歯が溶かされることで発生する疾患です。この過程は脱灰と呼ばれ、歯の表面を覆うエナメル質から始まって、象牙質、さらに神経部分の歯髄へと進行します。
口腔内には数百種類もの細菌が存在していますが、虫歯の原因となるのはミュータンス菌などの菌です。食事や間食で摂取した糖質を代謝する際に酸を産生し、口腔内のpHを急激に低下させます。
健康な口腔環境では、歯が溶ける脱灰と再石灰化のバランスが保たれています。再石灰化とは、唾液中のカルシウムやリン酸イオンが歯の表面に供給され、脱灰によって失われたミネラルを補う作用です。
また、唾液には緩衝作用があり、酸性になった口腔内を中性に戻す働きも担っています。
しかし、糖分を頻繁に摂取していたり、唾液の分泌量が少なかったりすると、脱灰と再石灰化のバランスが崩れます。脱灰が再石灰化を上回る状態が続くと、歯の表面が徐々に溶けて虫歯が進行していくのです。
虫歯になりやすい人の特徴
虫歯に気をつけているつもりなのに、すぐに虫歯ができてお悩みの方もいるでしょう。虫歯になりやすい人には特徴があるため、あらかじめ理解しておくと虫歯対策もしやすくなります。
以下に虫歯になりやすい人の特徴を解説します。
遺伝的要因と体質
虫歯のなりやすさには遺伝的要因が大きく関わっています。歯の質や形態、唾液の性質、免疫力などは遺伝の影響を受けるため、家族に虫歯の多い人がいる場合は注意が必要です。
エナメル質の厚さや密度・歯の表面の溝の深さなどは生まれつき決まっており、虫歯のなりやすさに影響を与えます。
また、唾液の分泌量や質にも個人差があります。唾液の分泌量が少ない人は、口腔内の自浄作用や緩衝作用が弱く、虫歯のリスクが高まるでしょう。唾液中のカルシウムやリン酸の濃度が低い人は、再石灰化能力が低下し虫歯になりやすいです。
乱れた食生活
食生活は、虫歯の発生に直接的な影響を与えます。糖分の摂取頻度が高い人は、口腔内が酸性に傾く時間が長くなり、虫歯のリスクが高まります。間食の習慣がある人や、飴やガムを頻繁に口にする人は要注意です。
また、食事の時間が不規則な人も、虫歯になりやすいといえます。ダラダラと長時間食べ続けたり、夜遅い時間の食事が習慣になっていたりすると、口腔内が酸性の状態が長く続くためです。
ブラッシングが不十分
歯磨きの方法や頻度が不適切な人は、虫歯になりやすいです。1日1回しか歯を磨かない人や、磨き方が雑で磨き残しが多い人は、プラークの除去が不十分になります。
また、就寝前の歯磨きをしないと、睡眠中の唾液の分泌量減少と重なって細菌の増殖が促進されやすくなります。結果として、虫歯リスクが高くなるでしょう。
歯磨き時に、歯ブラシだけでは口腔内の60%の汚れしか落とすことができません。口腔内の汚れをしっかり落とすには、フロスや歯間ブラシを使用する必要があります。フロスや歯間ブラシの使用習慣がない人も口腔内に汚れが残るため、虫歯になりやすいです。
年齢や性別による違い
年齢によって虫歯のなりやすさは変化します。子どもは乳歯のエナメル質が薄く、永久歯よりも虫歯になりやすいという特徴があります。
また、高齢者は加齢により唾液分泌量が減少し、歯茎の退縮により歯根部が露出することで、根面虫歯のリスクが高まるでしょう。
男女別でみると、女性は男性に比べて虫歯になりやすいとされています。女性ホルモンの影響で唾液の性質が変化することや、妊娠・出産期における口腔環境の変化、間食の習慣などが関係していると考えられています。
全身疾患の有無
糖尿病患者は、血糖値の上昇により唾液中の糖分濃度が高くなり、細菌の栄養源が豊富になるため虫歯になりやすいとされています。また、免疫力の低下により感染に対する抵抗力が弱くなることも強く影響するでしょう。
自己免疫疾患や、薬剤の副作用により唾液の分泌量が減少する人も虫歯のリスクが高まります。
虫歯を予防するために大切なこと
以下に、虫歯を予防するためのポイントを解説します。
正しい歯磨きの方法を身につける
虫歯予防の基本は、毎日の適切な歯磨きです。力を入れすぎると歯や歯茎を傷つける可能性があるため、軽い力で行うよう意識しましょう。
特に、就寝前の歯磨きは重要です。睡眠中は唾液の分泌量が減少するため、細菌が増殖しやすい環境になります。朝起きたときの歯磨きも、夜間に増殖した細菌を除去する意味で非常に重要です。
フッ素入り歯磨き粉の使用も虫歯予防に有効です。フッ素は歯の再石灰化を促進し、エナメル質を強化する作用があります。また、細菌の酸産生を抑制する効果も期待できるため、積極的に活用しましょう。
補助清掃用具の活用
歯ブラシだけでは除去できない歯間部のプラークを取り除くためには、フロスや歯間ブラシの使用が欠かせません。デンタルフロスは歯間の狭い部分、歯間ブラシは隙間が広い部分で使用します。
補助清掃用具を使用することで、プラーク除去率を大幅に向上させられるでしょう。なお、マウスウォッシュの使用も補助的な清掃方法として有効です。フッ素配合のものや、細菌の増殖を抑制する成分が含まれているものを選ぶと良いでしょう。
ただし、マウスウォッシュは歯磨きの代替にはなりません。あくまで補助的な使用に留めることが大切です。
食生活の改善
糖分の摂取をコントロールすることは、虫歯予防において重要です。砂糖を多く含む食品や飲料の摂取頻度を減らし、食べる時間を決めることで口腔内が酸性になる時間を短縮できます。
間食をする場合は、時間を決めて短時間で済ませるよう心がけましょう。キシリトールなどの代替甘味料を活用することも効果的です。
キシリトールは虫歯菌が利用できない糖であり、細菌の増殖を抑制する効果があります。キシリトール入りのガムを食後に噛むことで、唾液分泌の促進と口腔内の清浄化が期待できます。
また、食事のバランスも重要で、カルシウムやリン・ビタミンDなど歯の健康に必要な栄養素を十分に摂取すると良いでしょう。乳製品や小魚、緑黄色野菜などを積極的に取り入れてみてください。
生活習慣の見直し
禁煙も虫歯予防には重要です。喫煙は口腔内の血流を悪化させ、免疫力を低下させるため、虫歯や歯周病のリスクを高めます。また、タバコに含まれるタールは歯に付着し、プラークの蓄積を促進する可能性があります。
唾液の分泌を促進する
唾液は虫歯を予防するために重要な存在です。唾液の分泌を促進するためには、よく噛んで食事をすることを心がけましょう。噛む回数を増やすことで唾液腺が刺激され、分泌量が増加します。また、水分補給も重要です。
ただし、糖分を含む飲料は避け、水やお茶を中心に摂取することが大切です。
ストレス管理も唾液分泌に大きく関係します。ストレスは自律神経のバランスを崩し、唾液の分泌量を減らす可能性があるでしょう。適度な運動や十分な睡眠、ご自身に合ったリラックス法などで、ストレスをコントロールすることが大切です。
定期的な歯科検診
虫歯の早期発見・早期治療のためには、定期的な歯科検診が不可欠です。3〜6か月に一度の頻度で歯科医院を受診し、プロフェッショナルクリーニングを受けると良いでしょう。
歯科医師や歯科衛生士による専門的なクリーニングは、日常のケアでは除去できない歯石やプラークを除去できます。
また、フッ素塗布も効果的な予防方法のひとつです。歯科医院でおこなう高濃度フッ素の塗布は、家庭用のフッ素入り歯磨き粉よりも高い予防効果が期待できます。子どもや虫歯のリスクが高い人には、定期的なフッ素塗布が有効です。
定期検診では、虫歯の初期段階やご自身では気づかない問題を発見できます。個人の口腔状態に応じた適切なケア方法のアドバイスを受けることも可能なので、積極的に受けましょう。
まとめ
虫歯になりやすい人には、唾液の量が少ない、間食が多い、磨き残しが多いといった特徴が見られます。日々の生活習慣やセルフケアの質が、虫歯リスクに大きく影響するため注意が必要です。
虫歯は予防が大切で、正しい歯磨き方法の実践や定期的な歯科検診によって、未然に防ぐことができます。自分の口の中の状態をよく知り、必要な対策をとることで、健康な歯を保てるでしょう。
虫歯にお悩みの方は、名古屋市北区大曽根にある医療法人晃生会 光輪歯科にお気軽にご相談ください。
当院は、歯を治すだけではなく患者さまの悩みを解決する医療を提供できるよう、診療を行っています。虫歯・歯周病治療を始め、ホワイトニングや審美歯科など、さまざまな診療に力を入れております。
名古屋市北区大曽根の光輪歯科はリラックスできる空間作り、患者様への心遣い、最新の設備でニーズに合わせた治療にこだわります。
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