歯周病菌が人体に及ぼす影響とは?歯周病菌を減らす方法も

こんにちは。名古屋市北区大曽根にある医療法人晃生会 光輪歯科です。
歯周病は、歯ぐきの腫れや出血から始まり、進行すると歯を支える骨を溶かして最終的には歯を失う原因となる病気です。その原因となるのが歯周病菌です。口腔内に存在するこれらの菌は、プラーク(歯垢)や歯石の中に潜んでおり、日常のケアが不十分であると急速に増殖します。
さらに最近では、歯周病菌が単にお口の健康を脅かすだけでなく、全身の健康にも深く関係していることが明らかになってきました。
今回は、歯周病菌とは何かといった基本的な知識から、全身にもたらす影響や歯周病菌を減らす具体的な方法まで詳しく解説します。
歯周病菌とは

歯周病菌とは、歯と歯ぐきのあいだにある歯周ポケットの中で繁殖する細菌の総称です。健康な口の中にもある常在菌ですが、プラークという細菌のかたまりが増えることで歯ぐきに炎症を引き起こし、歯周病の原因となります。
ただし、歯周病を引き起こす細菌はひとつだけではありません。複数の種類が存在し、一つの細菌が原因ではなく、複数の菌が協力し合って歯周病を悪化させているケースもあります。そのため、患者さまの口内の状況に合わせた治療を選択する必要があります。
歯周病菌の特徴
歯周病菌は、酸素の少ない環境を好む嫌気性菌です。歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットの中は空気が届きにくく、このような環境が作られることで歯周病菌が増殖しやすくなります。
歯周病菌たちはバイオフィルムと呼ばれる細菌の膜を形成し、歯の表面に付着することで、免疫の働きを妨げながら増殖していきます。また、歯周病菌は口の中だけにとどまらず、唾液や血液を通じて体内を巡ることがあるため、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
歯周病菌が人体に及ぼす影響

歯周病は口の中だけの病気と考えられがちですが、最近の研究では、歯周病菌が血流に乗って全身に広がり、さまざまな疾患のリスクを高めることがわかってきました。ここでは、歯周病菌が引き起こす可能性のある全身への影響についてご紹介します。
心臓疾患との関連
歯周病菌と心臓疾患の関係は、国内外の数多くの研究で注目されているテーマでもあります。特に、心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患の発症リスクを高める要因の一つとして、歯周病菌の存在が指摘されています。
歯周病菌が血管内に入り込むと、血管の内壁に炎症を引き起こし、動脈硬化を進行させる恐れがあります。さらに、歯周病菌が出す毒素や炎症性物質が血管を傷つけ、血管ににコブ状の塊を形成させたり、血栓のリスクを高めたりするとされています。
このようなメカニズムにより、心臓への血流が妨げられ、心筋梗塞や狭心症を引き起こす可能性が高まるのです。
糖尿病との相互作用
歯周病と糖尿病は、互いに深い関係があることが明らかになっています。歯周病が悪化すると、体内で炎症性物質が多く作られ、これがインスリンの働きを妨げて血糖値が上がりやすくなると考えられています。
また、糖尿病があると免疫力が弱まり、歯周病菌への抵抗力が下がるため、歯ぐきへの炎症が進みやすくなります。このように、両者はお互いに影響を与え合うため、どちらか一方だけの治療ではなく、両方を意識したケアが必要と言えます。
認知症との関連
近年の研究では、脳の健康と口腔内の健康が密接に関係していることがわかってきました。歯周病のある方は、認知機能の低下やアルツハイマー型認知症の発症・進行に影響を及ぼす可能性があるとされているのです。歯を失うことにより咀嚼機能が低下し、脳への刺激が減ることも認知症リスクの一因とされています。
呼吸器疾患との関連
歯周病菌は、口の中にとどまらず、気管や肺にまで入り込むことがあります。これによって、肺炎や慢性気管支炎などの呼吸器疾患を引き起こすリスクが高まると考えられています。
特に、誤嚥性肺炎は高齢者や体力の落ちた人に多く見られる病気で、食べ物や唾液と一緒に口の中の細菌が気管に入り込むことで起こるリスクが高まります。食べ物や唾液に歯周病菌が含まれていると、肺で炎症が起こりやすくなるのです。
妊娠や出産への影響
妊娠している女性や、妊娠を考えている女性の場合、歯周病の管理が特に重要です。なぜなら、歯周病菌によって引き起こされる炎症が、胎盤を通じて子宮の環境に影響を与えることがあるからです。
近年の研究では、歯周病が早産や低体重児出産のリスクを高める恐れがあることがわかってきました。妊娠中はホルモンバランスの変化により歯ぐきが腫れやすくなるため、歯周病が進行しやすい時期とも言えます。
歯周病菌によって歯茎の炎症が起こると、体内で炎症物質が作られるようになります。これらが血液を介して全身を巡ると、子宮を刺激することがあるのです。これにより、子宮収縮が促されてしまい、早産や低体重児出産のリスクが高まるとされています。
そのため、母体の口内の健康を守ることが、赤ちゃんの健康を守ることにも関係してくるといえるでしょう。
歯周病菌を減らすためにできること

歯周病菌のリスクを下げるためには、毎日のケアと生活習慣の見直しが不可欠です。ここでは、具体的な対策方法をご紹介します。
正しい歯磨き習慣を身につける
歯周病を予防・改善するうえで基本となるのが、正しい歯磨き習慣を身につけることです。一日2~3回の歯磨きを継続し、磨き残しが出やすい奥歯の裏や歯と歯の間、歯と歯茎の境目を丁寧に磨くことが大切です。
歯周ポケットの奥にある歯垢を除去するには、適切な角度で歯ブラシを当てる必要があります。1本1本の歯を丁寧に磨く意識を持って、毎日の歯磨きを行いましょう。
生活習慣を見直す
喫煙や偏った食生活、過労やストレスといった生活習慣は、体の免疫力を低下させ、歯周病を悪化させる要因となります。たとえば、喫煙は歯ぐきの血流を悪くし、歯周病菌に対する抵抗力を下げます。糖分の多い食事はプラークの増加を招き、口腔内環境を乱します。また、睡眠不足やストレスは免疫機能を弱め、細菌に対する防御力を低下させます。
毎日のなかで、栄養バランスの取れた食事や禁煙、十分な睡眠、適度な運動を意識することが、歯周病菌の増加を防ぎ、全身の健康を守るうえでも大切です。
口腔内を清潔に保つ
歯周病菌を増やさないためには、毎日の口腔ケアが欠かせません。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使い、歯と歯の間までしっかり清掃することが大切です。
口腔ケアの方法としては、ポイックウォーターの使用も検討すると良いでしょう。ポイックウォーターはタンパク質を分解できる水のことで、口腔内の歯周病菌の増殖を抑え口腔内を清潔にし、歯周病の再発リスクを抑える効果が期待できます。
歯科医院で定期的にクリーニングを受ける
自宅での歯みがきでは落としきれない歯垢や歯石は、時間が経つと歯周病菌の温床になります。これらの汚れを取り除くには、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニング(PMTC)では、専用の器具を使って歯の表面を丁寧に清掃し、歯周病菌の数を減らすことが可能です。
さらに、定期的に通院することで、歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さをチェックしてもらえるため、歯周病の早期発見・早期治療にもつながります。基本的には3か月に1回程度の通院が推奨されていますが、適切な頻度は患者さまによって異なるため、歯科医師と相談しながらご自身に合った頻度で通院を続けましょう。
ブラッシング指導を受ける
自分では毎日きちんと歯を磨いているつもりでも、実際には磨き残しがあることが少なくありません。歯科医院では、正しい磨き方を丁寧に教えてもらうことができます。
鏡を見ながらどこに汚れが残りやすいかを確認しながら、歯ブラシの動かし方や力加減、歯間ブラシやフロスの使い方なども指導してもらえます。自己流の磨き方では落としきれない汚れを効率よく除去できるようになるため、歯周病菌の減少に繋げられるようになるでしょう。
まとめ

歯周病菌は、口の中だけでなく、全身の健康にも大きく影響を与える存在です。心臓や脳、肺、妊娠・出産など、さまざまな疾患と関係があることがわかってきており、歯ぐきの炎症を軽く考えることはできません。
しかし、歯周病菌の増加は、毎日の正しいケアや生活習慣の改善、歯科医院での定期的なクリーニングによって防ぐことができます。自宅での歯みがきと、歯科医院での管理の両方を大切にし、口の中の環境を整えることが、将来の健康を守る第一歩になります。
歯周病にお悩みの方は、名古屋市北区大曽根にある医療法人晃生会 光輪歯科にお気軽にご相談ください。
当院は、歯を治すだけではなく患者さまの悩みを解決する医療を提供できるよう、診療を行っています。虫歯・歯周病治療を始め、ホワイトニングや審美歯科など、さまざまな診療に力を入れております。

